起業1〜2年目で「頑張っているのに結果が出ない」と感じたら、最初に見直したいこと

「毎日動いているのに、売上が安定しない」

「SNSも営業もやっている。でも、何を改善すればいいのかわからない」

「売上はあるのに、なぜか手元にお金が残らない」

起業して1〜2年目は、こうした悩みが出やすい時期です。

このとき、多くの経営者がやってしまうのが、さらに行動量を増やすことです。

投稿本数を増やす。営業件数を増やす。広告を出す。新しいサービスを作る。

もちろん、行動量が必要な場面もあります。しかし、事業のどこに問題があるのか分からないまま施策を増やしても、結果につながらないことがあります。

そこで重要になるのが、「何をやるか」を増やす前に、「どこで止まっているのか」を見つけることです。

この記事では、起業初期の経営者が見直したいポイントを、資金・集客・売上・仕組みの4つに分けて解説します。

まず確認したいのは「売上がない」のではなく、どこで止まっているのか

「売上が伸びない」という悩みは、一見すると一つの問題に見えます。

しかし、実際には原因によって必要な対策は大きく異なります。

例えば、売上をシンプルに分解すると、次のように考えることができます。

売上 = 顧客数 × 顧客単価 × 購入頻度

さらに、新規顧客の獲得部分だけを見ると、次のようにも整理できます。

新規売上 = 見込み客数 × 成約率 × 顧客単価

つまり、「売上が足りない」という結果だけでは、何を改善すればいいのか判断できません。

例えば、月100件の問い合わせがあるのに5件しか成約していない場合、問題は集客ではなく、商談や商品設計、価格設定にある可能性があります。

一方で、成約率が高くても問い合わせ自体が月3件しかないのであれば、優先すべきなのは認知や集客です。

そのため、最初にやるべきことは「もっと集客する」ではなく、自社の数字を分解して、どこがボトルネックになっているかを確認することです。

壁1|資金の問題:売上ではなく「あと何か月持つか」を確認する

起業初期に多いのが、売上は発生しているのに資金繰りが苦しくなるケースです。

ここで重要なのは、売上の大きさだけを見ることではありません。

まずは、次の数字を確認してみてください。

  • 現在の現預金はいくらあるか
  • 毎月の固定費はいくらか
  • 毎月の平均的な支出はいくらか
  • 売上の入金は何日後か
  • 大きな支払い予定はいつあるか

例えば、現預金が300万円あっても、毎月100万円ずつ資金が減っているのであれば、単純計算では3か月で資金が尽きます。

逆に、現預金が100万円でも、毎月の支出が30万円程度で、安定した入金が見込めるのであれば、状況はまったく異なります。

つまり、確認すべきなのは「今いくら持っているか」だけではなく、現在の状態を続けた場合、あと何か月事業を継続できるのかです。

資金調達は「お金を借りること」が目的ではない

資金不足が見えてきた場合、融資や補助金などを検討する選択肢があります。

例えば、日本政策金融公庫では、創業者や小規模事業者向けの融資制度に関する情報を公開しています。

日本政策金融公庫 公式サイト

ただし、資金調達を考える際に大切なのは「いくら借りられるか」だけではありません。

本来は、次の順番で整理する必要があります。

  1. 何のために資金が必要なのか
  2. いくら必要なのか
  3. その資金を何に使うのか
  4. 使った結果、売上や利益がどう変わるのか
  5. どのように返済していくのか

例えば、300万円を調達して広告費に使うのであれば、その広告費から何件の顧客を獲得し、いくらの売上を作る想定なのかまで考える必要があります。

そのため、資金調達は単なる資金不足の穴埋めではなく、事業計画とセットで考えることが重要です。

壁2|集客の問題:SNSを増やす前に「どこから来ているか」を見る

起業初期では、「集客できない」という悩みも非常に多くあります。

そこでSNSを始めたり、広告を出したり、SEOに取り組んだりする方も多いでしょう。

しかし、ここでも最初に施策を増やすのはおすすめできません。

まずは、現在の顧客がどこから来ているのかを整理します。

  • 紹介
  • SNS
  • Google検索
  • 広告
  • 営業
  • イベント
  • 既存顧客からのリピート

例えば、売上の7割が紹介から発生しているのであれば、新しいSNSを始めるよりも、紹介が生まれる仕組みを強化した方が成果につながる可能性があります。

一方で、SNSのフォロワーが多くても問い合わせがほとんど発生していないのであれば、問題はフォロワー数ではなく、導線設計にあるかもしれません。

集客は「見てもらう」だけでは終わらない

集客導線は、大きく分けると次のように考えられます。

認知 → 興味 → 比較 → 問い合わせ → 成約

SNSで認知を取れていても、プロフィールからサービスページへ進む理由がなければ問い合わせにはつながりません。

また、ホームページにアクセスがあっても、サービス内容や料金、実績、問い合わせ方法が分かりづらければ離脱されてしまいます。

そのため、「アクセス数」だけではなく、次の数字を見ることが重要です。

  • ホームページへのアクセス数
  • サービスページへの遷移率
  • 問い合わせページへの遷移率
  • 問い合わせ件数
  • 問い合わせから成約までの割合

この数字を見ることで、単純に集客が足りないのか、それとも集客後の導線に問題があるのかが見えてきます。

壁3|売上の問題:売上が伸びないときは3つに分解する

集客ができているのに売上が伸びない場合は、次に販売部分を確認します。

特に確認したいのは、次の3つです。

1.成約率

問い合わせや商談の数に対して、どれくらいの割合で契約につながっているかを確認します。

例えば、月20件の商談があって2件しか契約していないのであれば、成約率は10%です。

この場合、商談数を40件に増やす前に、なぜ18件が契約しなかったのかを確認する方が先かもしれません。

価格なのか、提案内容なのか、商品そのものなのか。

失注理由を整理することで、改善すべきポイントが見えてきます。

2.顧客単価

売上は顧客数だけではなく、単価によっても大きく変わります。

例えば、月10社と契約していても、1社あたり3万円の場合と10万円の場合では売上が大きく異なります。

ただし、単純に値上げすればいいわけではありません。

サービス内容、提供範囲、成果、競合との違いなどを整理した上で、価格が適正かどうかを判断する必要があります。

3.継続率・リピート率

新規顧客を獲得し続けなければ売上を維持できない状態は、経営が不安定になりやすくなります。

そのため、継続契約やリピートが可能な事業であれば、既存顧客がどれくらい継続しているかも確認してください。

例えば、毎月10社を新規獲得していても、同じ数だけ解約していれば顧客数は増えません。

この場合は、新規集客よりも、解約理由や顧客満足度を改善する方が優先です。

壁4|仕組みの問題:「社長しかできない仕事」を減らす

売上が伸びてくると、次に問題になりやすいのが業務量です。

起業初期は、営業、顧客対応、請求、採用、マーケティングなど、多くの仕事を経営者自身が担当します。

しかし、その状態を続けていると、ある段階から成長が止まります。

理由はシンプルで、社長の時間が会社の上限になるからです。

そこで一度、現在の仕事を次の3つに分けてみてください。

  • 社長にしかできない仕事
  • 他の人でもできる仕事
  • そもそもやらなくてもいい仕事

例えば、重要な商談や事業戦略の決定は社長が担当する必要があるかもしれません。

一方で、日程調整、請求書作成、定型的な顧客対応、データ入力などは、他の人やシステムに任せられる可能性があります。

そのため、事業を大きくしていく段階では、単純な効率化だけではなく、経営者の時間をどこに使うかという視点が重要になります。

何から改善すればいい?優先順位は「影響度」と「緊急度」で決める

ここまで読むと、「結局どこから手をつければいいのか」と感じるかもしれません。

その場合は、課題を次の2つの軸で整理してみてください。

  • 緊急度:今すぐ対応しないと事業継続に影響するか
  • 影響度:改善した場合に売上や利益へのインパクトが大きいか

例えば、資金があと2か月しか持たないのであれば、SNSのフォロワーを増やすより資金繰りの改善が先です。

一方で、半年以上の資金があり、商談数も多いのに成約率が低いのであれば、営業や商品設計の改善を優先した方がいいでしょう。

このように、現在の状況によって最優先で取り組むべき課題は変わります。

起業初期に確認したいチェックリスト

最後に、現在の事業状況を確認するためのチェックリストをまとめます。

  • 毎月の売上・利益を把握している
  • 現預金があと何か月持つか分かっている
  • 売上の主な流入経路を把握している
  • 問い合わせ件数を把握している
  • 商談からの成約率を把握している
  • 顧客単価を把握している
  • 継続率・リピート率を把握している
  • 失注理由を整理している
  • 社長しかできない仕事を整理している
  • 今月最も改善すべき数字が決まっている

もし、この中で「分からない」という項目が複数ある場合は、新しい施策を増やす前に、まず現在の事業を整理するところから始めることをおすすめします。

PPconnectでは、施策を増やす前に事業全体を整理します

PPconnectでは、「SNSを始めましょう」「広告を出しましょう」「融資を受けましょう」と、最初から施策を決めることを目的にはしていません。

まず現在の事業状況を整理し、資金、集客、売上、業務体制などのどこに課題があるのかを確認します。

その上で、今の事業にとって優先度の高い打ち手を一緒に考えていきます。

起業・事業支援に関する詳しい内容は、PPconnectの事業・サービス紹介をご覧ください。

「何が問題なのか分からない」という段階でもご相談いただけます

経営課題は、必ずしも最初から明確になっているわけではありません。

「売上が伸びない理由が分からない」

「資金調達をすべきなのか判断できない」

「集客を増やすべきか、商品を見直すべきか迷っている」

そのような段階でも、まず現状を整理することで次に取るべき行動が見えてきます。

事業に関するご相談は、PPconnect株式会社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

PPconnect株式会社は、起業家・経営者の事業全体を見ながら、次に必要な一手を一緒に考えるインキュベーション会社です。