起業は何から始めるとよいのでしょうか。最初の一歩は、お客様になりそうな人に、実際に困った場面を聞くことです。
将来のお客様になりそうな人を一人思い浮かべて、「最近、どんな作業に時間を取られましたか」と聞いてみてください。その答えがあれば、最初に試す商品やサービスを具体的にできます。
この記事では、「小さな店のSNS投稿を手伝う」という架空の例で、最初の30日をたどります。目指すのは、月末に「次は誰に、何を、いくらで提案するか」を自分の言葉で言える状態です。

1〜7日目|起業は何から始める?「誰が、いつ困るのか」を一文にする
「SNS運用で起業したい」だけでは、写真を撮ればよいのか、文章を書けばよいのか、毎日の投稿まで任されるのかが決まりません。まず、困っている場面を思い浮かべます。
例えば「季節限定の焼き菓子を出す店主が、開店準備に追われ、新商品の告知を発売日に間に合わせられない」。ここまで絞ると、「新商品を出す日の朝」を実際に経験した人に話を聞けます。この段階ではまだ仮説です。
□ お客様の候補と、困りごとが起きる場面を一文で書いた。
□ その場面を経験した人を一人選び、話を聞く日を決めた。
8〜14日目|「欲しいですか?」より、直近の出来事を聞く
「投稿代行があったら使いますか?」と聞くと、相手は好意で「いいですね」と答えてくれるかもしれません。代わりに、前回の新商品について3つ聞きます。
① 告知は誰が、いつ、どんな手順で作りましたか?
② 一番時間がかかったのはどこですか?
③ 告知が間に合わないときは、どうしていますか?
店主が「写真も文章もあるけど、価格と販売日を確認するのに時間がかかる」と答えたとします。その場合は、投稿を丸ごと代行するより、必要な情報を一枚にまとめる方が役に立つかもしれません。
最初のアイデアと違う答えほど、そのまま記録しましょう。
□ 相手が実際にしている作業と、自分の推測を分けて書いた。
□ 今も手間やお金がかかっている作業を一つ特定した。
15〜21日目|一度だけ頼める大きさで、価格を添えて提案する
最初から月額契約を勧めるより、1商品・1投稿に絞った方が、相手は頼むかどうかを判断できます。次のように成果物・納期・価格・修正範囲を伝えます。
提案例 「次の新商品について、写真と商品情報をいただいた翌日までに、投稿文を1本お渡しします。今回は3,000円で、修正は1回まで。投稿するかどうかは原稿を見て決めてください。」
3,000円は説明用の仮の金額です。仮に聞き取りから修正まで合計3時間なら、経費を引く前で1時間あたり1,000円です。相手が頼みたい価格かどうかと、自分が続けられる条件かどうかは、別々に確かめます。
□ 1回で提供できる成果物、納期、価格、修正範囲を書いた。
□ 条件を伝え、依頼・保留・見送りのどれだったかと、その理由を記録した。
22〜30日目|返事をもとに、次の一手を決める
依頼されたら、実際にかかった時間と、相手が助かったと言った箇所を記録します。見送られたら、「予算がない」「今月は新商品がない」「文章は自分で書きたい」を区別します。どれも未受注ですが、次に変えることは違います。
例えば「今回は発売の前日で、確認する時間がなかった」なら、値下げより先に、次の発売日の1週間前に声をかける方が自然です。逆に、何人に聞いても告知で困っていないなら、お客様か困りごとの仮説から見直します。
□ 入金予定、作業時間、かかった費用を1件分の表にした。
□ 続ける・条件を変えて試す・いったんやめる、のどれかを選び、理由を一文にした。
30日たっても売れなかったら?
売れなかったという結果だけで、事業の良し悪しは決まりません。そもそも価格まで提示したのか、判断できる人に話せたのか、必要な時期に提案できたのかを確認しましょう。試せていないことが一つ見つかれば、次の1週間に取り組むことが決まります。
相談するときは「誰に聞いたか」「相手が実際に困っていたこと」「提示した条件」「返事」「次に迷っていること」の5点を1枚にまとめましょう。資金や収支も整理したくなったら、日本政策金融公庫の創業計画書と記入例が参考になります。
最初の一歩に迷っているなら、今週中に話を聞ける人を一人選びましょう。事業アイデアの整理や、未来勉強会への参加について聞いてみたい方は、PPconnectの窓口からご相談いただけます。